ロボット::プリント基板
プリント基板を作るにはそれなりに手間がかかります.それでも,同じ基板を複数枚作る場合や,高周波を扱う必要がある場合は,プリント基板を作った方が楽かと思います.
それと,ロボットに載せる基板には衝撃や振動が加わるので,ユニバーサル基板で実装した回路は信頼性の点で不安があります.最終的にはちゃんとプリント基板を作ったほうが良いでしょう.ユニバーサル基板でがんばるなら振動しても断線したりしないようにちゃんと配線を固定しましょう.
回路製作の段階で考えること
プリント基板は,同じ基板を複数枚作るのが楽です.出来る限り共通の基盤を使えるような回路にするといいでしょう.
余分なパターンを作っておいて,用途によって載せる部品を変えるのは良く使う手法です.
必用なもの
- 感光基板
- アートワーク用フィルム
- 現像剤
- エッチング液
手でパターンを書いてもいいですが,パソコンとプリンターでやると綺麗にできます.あと,ホットプレートや蛍光灯のスタンドとか,タッパとか.
アートワーク
PCBEなどのCADソフトでパターンを書いていきます.パターンは部品実装面から見た状態で書いていくのが良いです.
PCBEは標準のライブラリが不足気味なので,どこからかダウンロードするか,自分で登録しましょう.部品の命名規則や見た目の統一感を考えると,自分で作るのがお勧めです.
いきなり考えなしに信号線から書き始める人がいますが,グランドと電源ラインをしっかり確保してから他の部分を書きましょう.グランドを最後まで書かないで,余白を塗りつぶしてグランドを作るとかは最悪です.
プリント基板の銅箔は0.1mm以下の薄いものなので,電流がたくさん流れる部分は太くする必用があります.
印刷
専用のシートに印刷しましょう.ただ,このシートの値段が高い.
OHPシートでも代用可能かもしれませんが,なかなか綺麗にいきません.
薄い部分などがあったら,レジストペン(遮光ペン)で修正.
出来る限り一度で1枚の基板を使うようにしますが,どうしても余ってしまう場合は,感光する前に基板を切ります.感光面にアルミ箔を張って切るといいと思います.
感光
フィルムの印刷面が基板の感光面に当たるように固定して,上から光を当てます.
固定するときに,上からガラス板等を載せると基板とフィルムが密着して綺麗にできます.
蛍光灯なら15分くらいで感光できます.光源によって時間がまちまちなので,様子を見て調節しましょう.
感光した部分は色が少し変わるので良く見れば分かります.
現像
現像剤を溶かした水を少し温めておきます.
現像したら水洗いします.綺麗にならないようなら,傷つけないように軽くこすってください.それでも駄目なら,失敗です.カッターで削って修正するか,やり直してください.
エッチング
エッチングして余分な銅箔を溶かします.タッパにエッチング液(塩化第二鉄)の溶液を入れ,ホットプレートなどで少し暖めましょう.エッチングするときは,容器ごと少し揺らしながらやると良い感じです.溶かしたい部分が全て解けたのを確認したら終わりです.
廃液はきちんと処理しましょう.
エッチングが終わったらマスクパターンを除去します.スチールウールで擦って削り取ってもいいですが,アルコールなどを使うと綺麗に落ちます.
放っておくとすぐに銅が酸化してしまいますので,フラックスを塗って保護しましょう.半田ののりもよくなります.
穴あけ
MC用のデータを出力できたりしますが…とりあえずボール盤であけます.あまり力を入れすぎると,裏面が汚くなるので,ゆっくりあけてください.
半田付け
まぁ,この辺からは説明は要らないでしょう.
終わりに
まだ校正中です.そのうちグラフや図を書きます.
この文書の履歴
- 2006-04-XX まだ未公開