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電子工作入門::三端子レギュレーターの使い方

電源を電池から取っているうちは良いですが,ACアダプタを使う場合や,正確な電圧が必要なときには回路を作る必要があります.そこで登場するのが三端子レギュレーターです.これは,適当な電圧を与えると,一定の電圧を作り出してくれます.

使い方

回路図

まず,名前の通り3本足がある部品です.TO220という変わった形をしています.熱が出る部品はこの形が多くて,穴にねじを通して放熱板をつけたりします.入出力の電圧の差と電流の積に比例した熱が出るので気をつけてください.電流の小さいものはトランジスタと同じ形をしています.足の意味は,型番が印刷されている面をこちらに向けて,左が入力で,真ん中がGND(-)で,右が出力です.安定した電圧を得るためには,入力-GNDとGND-出力の間にコンデンサーを入れておいたほうが良いでしょう.

入力とGNDの間に電圧をかけると,GNDと出力の間の電圧は一定になります.電圧や流せる電流は三端子レギュレーターによって違います.可変三端子レギュレーター自体が2Vくらいの電圧が必要なので,出力電圧より2V以上高い電源が必要です.

可変三端子レギュレーター

可変三端子レギュレーターというのもあります.これは色々な電圧が作れます.これは,左から,ADJ,IN,OUTとならんでいるものが多いと思います.ただ,一つの部品ではやっぱり普通の三端子レギュレーターと同じように一定の電圧を作り出すだけです.目的の電圧を作るには一定の電圧とオームの法則を使います.

回路図2

ADJとOUTの間の電圧が一定になるように調節されます.LM317という可変三端子レギュレーターでは,1.25Vになっています.一定なのにどうして,可変になれるのかというと,繋がっている抵抗に秘密(というほどでもないですが)があります.1.25Vということは,R1に流れる電流I=1.25/R1となります.この電流は,R2を流れてGNDへ行くので,R2にかかる電圧V=R2*1.25/R1となります.つまり,GNDと出力の間の電位差は,R1の電圧+R2の電圧で,(1+R2/R1)*1.25(V)になります.初めて聞くとなんだか狐につままれたような気もしますが,本当にそうなります.計算も中学校で習ったオームの法則だけなのでそんなに難しくは無いと思います.

回路の例

マイコンを使うとき等,5Vの電源が欲しい時が良くあります.7805という5Vの三端子レギュレータを使います.

回路例

注意

三端子レギュレータは余分な電力を熱に変えます.流れる電流が大きい場合や,入力電圧と出力電圧の差が大きい場合は放熱をしっかりする必要があります.

1A程度流せる三端子れレギュレータが一般的ですが,入出力の電圧差が大きいと激しく発熱します.こんなときは変換効率の良いスイッチング電源を使いましょう.

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