電子工作入門::LED(発光ダイオード)の使い方
やはり,最初に遊ぶ電子部品と言ったらLEDではないでしょうか?私の場合は,豆電球からでしたが,今では電球よりずっと身近で使われることが多くなりました.それに,値段も一本数十円あれば買えるので,手を出しやすいと思います.気づくとLEDを大量に集めてること間違い無しです(笑).
種類とか
色々な色のLEDが売られています.
まず,一番ポピュラーなのが赤のLEDでしょう.次に緑や黄色も見かけます.これらは数十円で買えます.たくさん買えば一本あたり10円以下で買えるでしょう.私の好みですが,プラスチックに色がついてないものの方がいいです.あと,最近は青色のLEDが手に入るようになりました.これはまだ高くて一本150~200円くらいします.青く光っているLEDは見てるだけで感動です.昔は明るい青のLEDは作れなかったのですが,窒化ガリウム(GaN)を使ったLEDが日本人の手によって開発されて,広く出回るようになりました.
白色のLEDというものもあります.これは,青(紫)色のLEDに黄色い蛍光塗料を入れて,白く光らせています.真っ白でとても明るくて綺麗です.
他にも赤外線のLEDも売られています.これは目には見えない赤外線を出します.見えないものを何に使うかというと,テレビのリモコンなどです.携帯電話等にも赤外線通信機能がついていることがありますね.最近は紫外線LEDもあります.すぐにでもX線LEDとか出てきそうな勢いですね(これは嘘).
使い方
LEDを光らせるために,最低限必要なものは,
- 電源
- 抵抗
- LEDこの3つです.
電源電圧によっては,抵抗は無くても大丈夫ですが,気をつけないとLEDの寿命を著しく短くしてしまう恐れがあるので,安全のため入れましょう.
抵抗値の求め方
LEDやダイオードなどは豆電球や抵抗とは違って電圧降下が一定になる性質があるので,注意が必要です.つまり,電流が流れるとき,LEDのところで一定の値だけ電圧が下がります.ということは,ある一定の電圧になるまでは電流は殆ど流れずLEDも光りません.逆にそれ以上の電圧では無制限に電流が流れてしまいます.電池には内部抵抗がありますし,LEDにも少し抵抗成分があるので,実際には無限に電流が流れることはありませんが,LEDが壊れてしまったり極端に寿命が短くなるので抵抗か定電流ダイオードなどを使いましょう.
まず,回路図上のLEDによる電圧降下はV3(V)です.これはLEDごとに決まった一定の値になります.赤のLEDで約2Vで,青のLEDなどでは,約3.6Vくらいになっていると思います.そうすると,抵抗にかかる電圧はV2=V1-V3となります.ここで,LEDは大体15~30mAくらいで明るくつくようになってるので,I(mA)流すためには,オームの法則より,R=(V1-V3)/(I/1000)Ωにする必要があります.
例えば,5Vの電源に白色LEDを繋げる場合,(5-3.6)/(25/1000)=56Ωの抵抗を直列に繋げば良さそうです.
入手方法
抵抗もLEDも一般的な部品なので入手は容易です.秋葉原の秋月や千石などで買いましょう.通販も可能です.
1つだけ欲しいとかの場合は,その辺にあるLEDが付いた機器を分解したほうが安く済むかもしれません.
特性とか
まず,LEDの特徴であげられるのが効率の良さでしょう.熱を殆ど出さずに電力を光に変えます.どれくらい凄いかというと,例えば白熱電球の効率は10%以下です.蛍光灯でも良くて25%程度です.残りは熱になって部屋を暖めています(光も最後には壁などに吸収されて熱になるのですが…).LEDの場合は30%が普通です.
さらに,寿命がとても長くて半永久的です.数10万時間の寿命を持っているものもあります.付けっぱなしでも十年以上光りつづけます.最近は,以前まで問題だった白色LEDの発光効率も蛍光灯を抜きつつあるので,値段さえ下がれば,殆どの光源はLEDのようなものに変わるのではないでしょうか.
ただ,もっと効率が良さそうなものが身の回りにありますね.蛍の光です.発光効率は90%に達します.こいつはルシフェリン - ルシフェラーゼ反応といい……なんて説明すると化学の話になってしまうのでやめておきます.興味がある人は調べてみてください.
ハンダ付け
熱にはそんなに弱くないですが,やっぱり半導体なので半田付けするときは手早くやりましょう.
この文書の履歴
- 2002-08-26 某所で公開